秋のお彼岸シーズンに見ることができる彼岸花ですが、その鮮やかな赤色に見惚れる方も多いとは思いますが、実は毒が持っている植物だということを知っていますか?
毒性がある植物というだけでも不安が募りますが、実際に彼岸花の持つ毒性が人体に与える影響がどの程度危険なものであるかということが気になりますよね。
そこで今回は、彼岸花の詳しい毒性や子供へ動物に与える影響などをご紹介していきましょう。
気になるコンテンツからご覧ください!
スポンサーリンク
彼岸花の毒で引き起こされる症状とは?
引用:http://oyakunitatemasu.net/higanbana/
彼岸花にはアルカロイドの一種である「リコリン」という毒が含まれています。
リコリンが体内に入ってしまうと、嘔吐や下痢、呼吸困難などの症状が診られ、重症になると呼吸不全や痙攣、中枢神経麻痺なども引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあるとても危険な毒物なのです。
しかし、彼岸花を触っただけではその症状が出ることはありません。
口に入ってしまうことが問題であり、食べることによって身体に影響を及ぼすとされているので、うっかり触ってしまったからといってその毒が全身に巡るということはないのです。
ですが、やはり毒性のある植物なので、お子様などが手に触れてしまった場合はしっかりと手洗いをすることをおすすめします。
スポンサーリンク
彼岸花の毒がある場所とは?
引用:https://kininarumemo.com/higanbanadokusei/
彼岸花は触るだけでは人体には影響がありませんが、その取扱いには注意を払いたいので、実際に毒が含まれている場所を事前に知っておくことも大切ですよね。
実は、彼岸花は「全草有毒」植物の一種となっています。
つまり、花、葉、茎、さらには根っこと全ての場所に毒が含まれているのです。
鮮やかな彼岸花を道端で見つけた際には、その赤色に引き寄せられてうっかり触ってしまいそうになりますが、触りたいと思う場所全てが危険というのは驚きですよね。
その中でも特に毒が多いとされるのは「鱗茎」と呼ばれる球根の部分なのですが、鱗茎一つに含まれているリコリンの量は15㎎となっています。
実は致死量となるリコリンの量は10gとなっているので、600個以上の鱗茎が体内に入らないと影響はしないとされてはいるので、人間が死に至る確率は少ないと考えられています。
致死量が思った以上に多かったことは不幸中の幸いでしたが、軽い症状も起こる可能性もあるので、できるだけ彼岸花を触らないように心がけたいですね。
スポンサーリンク
彼岸花の毒はもぐらを退治できる?
引用:http://xn--hhru84e.jp/mogura/mogura/
人体には影響が及びにくい彼岸花の毒ですが、実はもぐらなどの小動物を殺傷する威力を持っています。
もぐらだけでなく野ねずみなどの小動物の場合、球根1つで1500匹分を殺傷することができるとされているのです。
墓場周辺に彼岸花が咲いているのを見たことがある方もいると思いますが、実はこれは昔の人がやっていた知恵から来るものなのです。
昔の人はご遺体を土の中に墓場に埋葬するのが主流だったのですが、土の中に直接ということもあってか、そこに生息する野ねずみやもぐらがご遺体を荒される被害が多かったようなのです。
そこで墓場周辺に彼岸花を植えることによって、外敵となる小動物を大事な墓場から離すことができる効果を発揮することにより、ご遺体を守る防止策が取られていたようなのです。
また、もぐらの食料となるみみずは彼岸花が生息している場所を嫌う傾向にあるようです。
みみずのいない場所にはもぐらも姿を見せないはずですし、彼岸花を植えることによってもぐらを近寄らせない効果を発揮するのです。
毒性を持った植物ということで近寄りがたい印象を与えてしまいがちの彼岸花ではありますが、実際はその毒によって大切なご先祖様を守ってくれていたことがわかりますよね。
スポンサーリンク
彼岸花の毒は子供には危険なのか?
引用:https://www.jalan.net/kankou/spt_10207ac2102023128/
小動物には致死量となる毒性を発揮する彼岸花ですが、体の小さく免疫力も低めの子供には影響はないのでしょうか。
手に触れるだけでは影響はありませんが、小さい子供が特に物を口に入れることがあるので、誤って彼岸花をかじってしまうなんてこともあるかもしれません。
致死量まではいかないにしても、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性もなくはないので、なるべく彼岸花の近くでお子様を遊ばせないようにするのが賢明かもしれませんね。
それでも好奇心旺盛な時期でもありますので、保護者が注意を払っていても万が一のことが起こるかもしれません。
そうならないためにも日頃から彼岸花には毒があるということをお子様に言い聞かせることがおすすめします。
毒があると言い聞かせることによって、自然とその花が危険だという認識をさせることで注意喚起にもなります。
彼岸花の毒は犬には影響があるのか?
もぐらを撃退できるくらいの毒性を持っていることもあり、犬にもその毒が影響を及ぼす可能性が高いです。
特に小型犬の場合は、大型犬に比べると体が小さいということもあり特に毒性が強く出てしまうかもしれないので、特に注意が必要です。
例えば散歩をしている最中に、道端などに咲いている彼岸花を咥えてしまってそのまま飲み込んでしまうといったこともあるかもしれません。
彼岸花が多く咲いている場所はなるべく避けた散歩コースにするなど愛犬を守るためにも飼い主としての徹底した心がけをしておくと良いでしょう。
彼岸花の毒は猫には影響があるのか?
犬よりも体の小さい猫に関しては、彼岸花の毒性が体内に巡りやすいので、より注意しておきたいですよね。
特に猫は単独で行動することが多い動物ですから、飼い主の目の届かない場所で彼岸花と接触してしまう危険性が高くなってしまいます。
家の近くに彼岸花が生息している場合は、特に注意して猫の健康状態をチェックしておきましょう。
家に帰ってきた猫の様子がちょっとでもおかしいなと感じた場合はすぐにでも病院に連れて行ってあげましょう。
彼岸花の毒は茎を触っても影響がある?
球根の部分が一番毒性が強いとされていますが、その他の部分を触るにも注意が必要であります。
全身が毒性を持っている彼岸花ですので、持ちやすいとされる茎部分は油断して触ってしまう場所かもしれません。
茎から液体などが出ている場合などは、念のため触った直後に手を洗っておくことをおすすめします。
手を洗わずに皮膚などを触ってしまうと、敏感で肌の弱い方の場合は腫れてしまったりかぶれてしまうこともありますので特に注意しましょう。
彼岸花の毒は花を触っても影響がある?
鮮やかな赤色の彼岸花を見ると思わず触ってみたくなりますが、花の部分にも当然毒が含まれています。
「全草有毒」植物でもある彼岸花ですので、隅々まで毒があると思ってもらって良いでしょう。
花粉アレルギーの方はもちろん注意してほしいですが、彼岸花の場合は花粉が肌などにかからないようにするためにもなるべく触らない方が安全でしょう。
彼岸花の毒は抽出することができる?
彼岸花の毒を取り除くことができたら、食用として球根などを食べることができるのかというのも気になるところではありますよね。
実際にはどのような方法で毒の抽出が行われているのでしょうか。
彼岸花の球根は栄養価が高い?
引用:https://blog.goo.ne.jp/hokepie/e/7e281ec24d8cbb667b0338c93cb48e1c
毒性のある彼岸花ですが、昔の人は食料が不足していた時に球根の部分を非常食として食べていたそうなのです。
実は彼岸花の球根には、良質なデンプンが豊富に含まれているのです。
栄養価の高い食べ物ということもあって、じゃがいもなどと同等に扱われていたとされていますが、1つや2つでは致死量にはならないにしても、下痢などの症状などはきっと出ていたことでしょう。
それでも生きるために食べていたということは、戦時中の過酷な生活状況を物語っていると言えますね。
実は球根内の有害な部分を流し出せば食べることが可能だと言われていますが、しっかりとした毒抜き方法を知る必要があります。
正しい毒抜きの方法とは?
1.球根の外側を覆っている黒い皮を剥ぐ。
2.おろし金などを使って念入りにすり潰す。
3.水でよく洗った後、7回以上は流水にさらして数日間毒を流す。
4.鍋で煮込み、天日干しにしてしっかりと乾燥させた後、粉状にする。
食用のための毒抜きではありますが、慣れていない方がしてしまうと毒が完全に抜くことができない場合もあるので、初心者の方は必ず毒抜きの経験豊富な方の指示を受けて正しい毒抜きを行うことを心がけましょう。
個人的に毒抜きという方法を知らなかったので、こういった方法が実際に活用されているということに驚きました。
非常食として食べていた昔の人はその方法を知っていたか定かではありませんが、戦時中ということもあり毒抜きをする時間もなかったのではないでしょうか。
彼岸花の毒性について調べる中で、昔の人がいかに壮絶な生活をしていたかを実感することができたので、食べ物を粗末にしないように心がけたいと思いますね。
彼岸花の毒は万能薬?
毒性があると聞くと、危険なイメージが先行してしまいがちですが、精製された彼岸花の球根になると「石蒜(セキサン)」や「ヒガンバナ根」と呼ばれる漢方薬として扱われることもあります。
消炎作用もあるので、彼岸花の茎を刻んで傷のある部分を流すと良いとされています。
また、彼岸花の根っこをすり潰し張り薬代わりにすることによって、やむくみや関節痛、あかぎれなどを改善にも効果的と言えるでしょう。
また最近では、彼岸花に含まれるアルカロイドの一種であるガランタミンという成分が記憶機能を回復させる効果があるとして、アルツハイマー型認知症の薬に利用されているそうです。
ですが、薬として使用する場合は、毒の量をしっかりと把握することが重要になりますので、正しい知識を持っている専門家でない場合は安易に彼岸花の毒を活用することは避けましょう。
人体に悪影響があるとされるイメージが強い毒ですが、実は万能薬にもなり得る存在になるというのはとても驚きですよね。
特に、アルツハイマー型認知症に効果があるというのは、これからの未来に希望の光が見えてくるような発見ですよね。
彼岸花の毒性や影響まとめ
引用:http://oshanpo.com/saitama-kinchakuda/2/
いかがでしたか?
彼岸花の毒性は確かに危険なものではありますが、口にしなければ安全ですし、その毒性を使って小動物を撃退することができるなど、しっかりとした知識を身に付けさえすれば怖くないことがわかりましたね。
実際は栄養価も高く、万能薬としても使われることもある彼岸花なので、見た目の鮮やかなだけでなく様々な魅力を兼ね揃えている植物と言えるでしょう。
もしかすると、正しい情報を知ってからでも彼岸花の毒が怖いと思われる方も多いかもしれませんが、お彼岸の季節にはそれを忘れさせるような秋の訪れを感じさせてくれる鮮やかな彼岸花の群生を見ることができます。
数多くの名所もありますので、この機会に彼岸花の魅力を改めて実感してみてはいかがでしょうか?
スポンサーリンク
コメントを残す